AARC Congressに参加してきました

AARC (American Association for Respiratory Care) 2023が11月5~8日に米国ナッシュビルで開催されました。

当教室研究員・臨床工学技士の森西さん、徳島県立三好病院の秋本先生、私(板垣)が参加しました。

当教室としてはコロナ禍以降初めての海外学会(現地開催)参加です。

森西さんは2回目、秋本先生は初参加です。


会場はナッシュビル郊外にあるGaylord Opryland Resort & Convention Centerという巨大レジャー施設です。

施設内は巨大な温室の様な作りで、水路も張り巡らされています。


ホテルやレストランを横目にコンベンションセンターまで歩いていると、巨大クリスマスツリーが出現。

ハロウィンが終わっても ”Don’t stop the party” なノリがアメリカですね(笑)

森西さん、満面の笑みですが、到着後より極度の緊張で食事も喉を通らず。

数分おきにため息をついて胸をさすっていたのは、今だから言える笑い話です。


当教室からは2題の発表を行いました。

  • Effects of novel trigger algorithms on trigger performance and patient-ventilator synchrony: a lung model study
    新しいトリガ様式がトリガ性能及び患者と人工呼吸器の同調性に与える影響(森西さん)
  • A bench evaluation of ineffective efforts related to the use of leak compensation algorithm during pressure support ventilation
    プレッシャーサポート換気中のリーク補正機能に関連したミストリガの検討(秋本先生)


このうち森西さんの演題は、Editor’s Choice Sessionに選出されました。

全演題の4%のみが選ばれたセッションです。

また、このEditor’s Choice SessionにInternationalの演題が選ばれたのはAARCの歴史で今回が初めてだそうです(日本1,中国1)。


2人の発表日は学会3日目。


先ずは朝一、森西さんのEditor’s Choice Sessionが始まりました。


座長はAARCの重鎮2人、Editor in ChiefのRichard Branson先生とManaging EditorのDean Hess先生です。


Nativeの方々の素晴らしい発表が続きます。森西さんの緊張もMAXに!!


しかし今回の彼はひと味違います。

前回の経験を生かしてつかみの言葉も用意。

前日には自らHess先生に挨拶に行き、用意した原稿を擦り切れるまで読み込んでいました。


お辞儀マシーンと化した森西さんが座長の後ろを通り演台に着きます。


Branson先生の研究紹介に続いて発表開始です。


大きな声で話し始める森西さん。

つかみはOK。あちこちから笑いがこぼれます。

直ぐに聴衆は研究の内容に引き込まれていきます。

そして無事終了。


次は質疑応答です。


質問が来るたびに隣のHess先生が耳打ち。

森西さんの絞り出すような回答をBranson先生が素早くフォロー。

盛大な拍手をいただき、お辞儀マンは何度もお辞儀をしてから降壇しました。

聴衆の女性が帰り際に「あなたよくがんばったわ」とねぎらいの言葉をかけてくれました。

セッション終了後、座長の先生方と記念撮影をしました。

MGH、AARCに縁のある日本の先生方の話で盛り上がりました。

 

午後からは秋本先生の発表です。


表情には出しませんが、からだの隅々から緊張感が伝わってきます。


発表はAARCの基本スタイル「Poster discussion」

ポスターを掲示しその前で興味をもってくれた方とおしゃべり。

そのあと小さな演台で数分間プレゼンをして質問を受けるという二段構成で行われます。


興味を持ち質問をしてくれた多くの方に一生懸命説明をする秋本先生。

 

次はミニプレゼンテーション。スライドが無いので意外と緊張します。


森西先輩に倣い、つかみのフレーズで場を和ませ、無事終了。

 

こうして徳大チームの挑戦は終わりました。

久しぶりに参加した現地開催の海外学会は楽しく実り多いものになりました。


呼吸療法士主体の学会ですが、そのレベルは高くEITを用いた研究の増加には目を見張るものがありました。


同時に、医師による講演は注目度が高く、やはり洗練されていました。

コロンビア大学のBeitler先生によるARDSのPrecision Medicineの講演、Cheifetz先生による新しい小児ARDSガイドライン(PALICC-2)に関する講演は大変勉強になりました。


秋本先生は初めて参加した海外学会の雰囲気、自由に討論する文化に感銘を受けていました。

次はCritical Care領域の国際学会で発表ですね。


2度目の森西さん、回を重ねてだいぶコツをつかんだのではないでしょうか。

英語の重要性をひしひしと感じたそうで「帰ったら絶対英語習います!」と決意していました。

徳大のみならず、日本の臨床工学技士の研究力向上のためにこれからも頑張ってください!!

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