お悩み解決!
なんでもQ&Aコーナー
ここは日頃学生や研修医の皆さんが当講座について感じている素朴な疑問にお答えするコーナーです。
Question?
Q.どうして今、集中治療なの?集中治療は診療科?
Q.よくICUの先生が言っている「クローズドポリシー」って何?
Q.集中治療専門医になるにはどうしたらいいの?
Q.大学は救急患者を診ていないの?
Q.徳大ICUに入局する一番のメリットは何?
Q.ところで、休みはもらえるの?
Q.救急は体力勝負?体力に自信のない私でも大丈夫?
Q.出産も子育てもしたい!救急や集中治療は女性の私に務まる?
Q.大学の人事って、希望しない病院に派遣されるの?
Q.学会で発表したい!でも研究って難しそう!?
Q.チャンスがあれば留学してみたい!
Q.大学院に入ることもできる?
Q.専門医取得後はどのような進路があるの?
Q.どうして今、集中治療なの?集中治療は診療科?
A.集中治療は大変専門性が高く、専従医チームが治療に当たることで患者さんの予後は改善します。先人たちの尽力のおかげで、集中治療科が単独の診療科として誕生するケースが増えていますが、おかしなことに少し前まで集中治療科は正式な標榜診療科として厚生労働省に認められていませんでした。そのような状況下で、2019年から始まった新型コロナウイルスパンデミックを機に集中治療の重要性や本邦における問題点が広く知られるところとなりました。日本集中治療医学会の不断の取り組みによって、2022年ついに念願の集中治療専門医の日本専門医機構サブスペシャリティ認定,集中治療科の標榜診療科認定が実現しました。集中治療科医は魅力的で将来性のある職業と言えるでしょう。
集中治療医について日本集中治療医学会のホームページでもとても分かりやすく紹介しています。
Q.よくICUの先生が言っている「クローズドポリシー」って何?
A. 日本の多くのICUは「オープンICU」というシステムで運営されています。各診療科(主治医)が自分たちの患者さんの治療方針を決め、診療を行うシステムです。しかし、主治医には外来もあれば手術もあります。何より集中治療は専門性の高い技能を要します。オープンICUだとどうしても治療に一貫性がなくなったり、治療が停滞したりします。そこで徳島大学病院ICUは、常駐する集中治療医に指示系統を一本化して患者管理を行っています。これを「クローズドICU」と言います。「クローズド」といっても各診療科を無視して閉鎖的に治療を行うのではなく、多職種の連携をコーディネートする役割を担っています。
Q.集中治療専門医になるにはどうしたらいいの?
A.集中治療専門医は、新専門医制度ではサブスペシャリティに分類されています。集中治療専門医を取得するためには、先ず日本専門医機構が定める基本領域(内科、救急、麻酔など)の専門医取得が必要になります。当院では救急科専門研修プログラムの用意がありますので、救急科専門医、集中治療専門医を順次取得することをお勧めしています。
Q.大学は救急患者を診ていないの?
A.そのようなことはありません。心肺停止、急性冠症候群、脳卒中、広範囲熱傷、急性中毒は基本的に全例を受け入れ、集学治療病棟(東病棟4F)で治療に当たっています。また、当院受診中の患者が急変した場合には積極的に介入します。大学病院の特性上、外傷や1~2次救急疾患などは診ていませんが、救急科専門研修プログラムでは関連施設において十分な期間、これらの救急疾患を経験していただきます。
Q.徳大ICUに入局する一番のメリットは何?
A.やはり、日本ではまだ多くはないクローズドICUで勤務できることでしょう。このシステムは初代教授である西村匡司先生(前日本集中治療医学会理事長)が導入し、それまでのオープンICUと比べて良好な診療成績が得られることを証明しました。専門医の下で「By system(臓器系統別)」アプローチを用いて問題点を把握していくトレーニングを積むと、疾患にとらわれない真の臨床力が身につきます。
Q.ところで、休みはもらえるの?
A.もちろんです。急性期診療科のメリットは交代制であることです。月に3〜4回の平日夜勤(夕~朝)と1〜2回の休日日当直(朝~朝)が明けた日は完全な休養日になります。夏季休暇については、平日5日以上取得することを義務化しています。この他にもお互い年次休暇を積極的に消化し、いつもフレッシュな心と体で診療に当たることを心掛けています。
Q.救急は体力勝負?体力に自信のない私でも大丈夫?
A.大丈夫です。急性期の診療では目まぐるしく変わる患者さんの状態に対応しなければなりませんが、長時間の処置や立ち仕事が主な仕事ではありません。体力を使う「作業」は可能な限り分担して「判断」や「ディスカッション」に十分な時間を充てるようにしています。また、メリハリのある交代制で勤務をしているので、休養する時間は十分に確保できます。
Q.出産も子育てもしたい!救急や集中治療は女性の私に務まる?
A.「女性でも務まります!!当直については家族の協力が必要ですが、当診療科は交代制で診療を行っているため夜間休日の呼び出しや予定外の残業が一切ありません。その点では、むしろ他の診療科よりも子育てしながら働きやすいと言えます」(3児のママ)。実際医局員に占める女性の割合は大きく、男性と同じシフトで勤務をこなしているママさんドクターもいます。産育休はしっかりとってもらい、勤務時間に制限のある時期には他の医局員がカバーしています。
Q.大学の人事って、希望しない病院に派遣されるの?
A.そのようなことはありません。徳大ICUはまだ開設18年目の若い講座ですので、いわゆる関連病院がありません。よって、すべての医局員が大学に所属しています。私たちには市中の急性期医療を支えていく役割もありますので、将来的に応えていきたいと考えていますが、医局員を派遣する場合、本人の希望を第一に考えます。
Q.学会で発表したい!でも研究って難しそう!?
A.心配いりません。専攻医が初年度から立派に国内外で研究発表を行っています。臨床研究が主ですが、学位取得者や留学経験者が中心となって指導に当たります。定期的にリサーチミーティングを行い、研究の立案から論文執筆まで全面的にサポートをします。
Q.チャンスがあれば留学をしてみたい!
A.現在海外留学をしている医局員はいませんが、過去に2名の医局員がマサチューセッツ総合病院麻酔科(米国)に研究留学をしました。今後の留学先や期間についてはご相談になりますが、留守を預かる医局員の理解は大きいです。また過去には、小児集中治療のトレーニングのために国内留学をした医局員もおり、臨床能力向上のための留学も推奨しています。
Q.大学院に入ることもできる?
A.これまでに1名の臨床工学技士が大学院博士課程を修了しました。指導医が学位取得をサポートします。研究と並行して臨床経験も積んでいただき、専門医取得にも備えます。また外勤先を確保し、十分な生活の保障が得られるようにサポートします。
Q.専門医取得後はどのような進路があるの?
A.あらゆる可能性が残されています。大学で研究・教育・臨床にバランスよく従事するもよし、市中病院で急性期医療を支えるもよし、さらなるステップアップを目指して留学、大学院進学をするもよし。当講座は急性期医療に情熱を傾ける皆さんを全力でサポートします。
ここにあるクエスチョン以外にもいろんな疑問をお持ちだと思います。ご遠慮なく担当(ueno.yoshitoyo@tokushima-u.ac.jp)までお寄せください!